大阪発。ISO9001審査員補のよもやま話

イチ真面目なサラリーマンの人生ひと区切り(^_-)-☆

前職でのエピソード-3 鼓舞されたTS16949との出会い

事務局運営のはじまり

品質マネジメントシステムの仕事を始めてみれば、
内容についてまるで分かっていない自分がいました。
第三者認証機関の審査の準備、文書の整備など
表向きの仕事を手掛けつつ、品質マネジメントシステムの
本質的な意義、組織内の文書や仕組みを理解できるまでに
かなりの時間を要しました。
また、この仕事に熱意を込められない自分が続いていて、
気持ちも優れませんでした。
しかし、そんな自分を奮起させるような任務が待っていたのです。

自分が勤めていた事業所が、業界に先駆けてIATF16949
(当時はISO/TS16949、の名称)を既存の品質マネジメントシステム
ISO9001の認証に追加で認証取得するというミッションが生まれました。
これは品質マネジメントシステム業務に関連されている方なら
大半はご存じの自動車向け製品に特化したもので、製品性能の安定、
納期の遵守、不具合発生時の再発防止手順、不良率ゼロ化、
このために指定されたフォーマットでの「コアツール」の活用、
など厳しく、また言い方を変えるならグローバル自動車メーカーの
わがままをワンパックにしたようなマネジメント要求事項が含まれた内容です。
しかしいずれにしても、これは経営者が品質マネジメントシステムに
期待しているという直接の表明であり、この仕事に中心として
関わることができる立場となることで、品質保証部に異動して
モチベーションを落としていた自分を奮い立たせることになりました。
自動車分野の要求事項を理解し、事業所内で専門家として啓蒙展開する自分。
認証を取得するまでの2年間の計画設定、講師を呼んでの部門責任者への
セミナーの設定、1000人近い全従業員を前にした月例の総合朝会での
進捗報告、・・ 等々否が応でも自分を仕事に突き動かしていきました。

しかし計画を進めることには大変な労力が発生します。
品質マニュアル体系の策定、関係部署に関連する規程の策定、
部門責任者への説明、監査員の教育と任命から始まり内部監査計画の
立案と完遂、審査機関からの予備審査の準備と受診、そして製造や設計の
業務プロセスの推進の証明として規格が要求する「コアツール」の立上げ。 
等々・・・
これを主任部下1名と組んでやり切ることには、究極なマルチタスクの
計画を組み、推進することが前提で、これに日々の想定外事態にも
対処していくという、とにかく全方位からのストレスを受けながらの
推進が求められます。

このような果てしない生活が5年くらい続いたイメージでしょうか。
IATF16949の追加認証は無事に取得できました。
しかし品質マネジメントシステムは外向きの認証の維持だけを目的に
活動をしていては、形式的に書類を作成しているだけの状態が生じ、
その根本的な理解ができていない限りは作業を阻害するむしろ重荷に
なってしまいます。自分としてはこの状況を変えたかった。
少なくとも自分としてはこの要求事項の思想を徹底して共有し、
経営貢献したと言われるような成果にもっていきたかった。
しかし状況的には認証取得後の事業所は経営者の熱もいくぶんかは
下がったように見え、品質マネジメントシステムの認証維持は
うまくやっていればよいという、事務局としては大変残念な状況に
陥っていったのです。
特に悩んだのは、様々に外部の講習会や専門家からの知識を得て、
事務局としては充分に理解した規格要求事項を、内部でも時間をかけて
説明すれば他職場の責任者や従業員に必ず理解してもらえ、
安定した品質マネジメント運営ができるようになるとい想いが、
かなり裏切られ、実現しなかったことにあります。経営者方針を掲げ、
いくら全体集会で説明をしたところで、従業員の心に響いているというのは
かなり勘違いに近いということをまざまざと感じさせられました。
従来から慣れ親しんだ業務プロセスを変えてもらい、しかも追加業務負荷すら
発生するような仕事に協力してもらうのは至難のことでした。
部長クラスは立場上、表向きには方針を理解しても、運営は課長に一任。
しかし課長クラスからは露骨に協力しない意思表示やいやな反応をされる時もあり、
ほとんど話が進まない、そんな事態が製造、設計、調達、人事、・・各部門との
会話でヤマほど出てきたのです。なぜ組織は、お客様の要求をかなえることの
実現に向けて仕事をすることに協力しようと思えないのか。
自分の仕事はやはりどうでもよい任務だったのか・・・

次回は品質保証部に異動してからのもう一つの柱、
製品安全認証業務とのかかわりについてお話します。それでは、またお会いしましょう。

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